新型インフルエンザが人に感染するかどうかを左右するウイルスの構造が、スペイン風邪など20世紀前半に流行したウイルスと同じだったことが、科学技術振興機構の西浦博・さきがけ研究員らの研究で分かった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100108-00000053-mai-soci
ウイルスの表面にはヘマグルチニンという突起があり、この突起を使ってヒトの細胞に侵入する。研究チームは、新型と同じH1N1型の過去のウイルスで、ヘマグルチニンの先端構造を比較した。
その結果、1918~40年代前半に流行したスペイン風邪や同時期の季節性インフルエンザのウイルスは、先端の構造が同じだったことが分かった。これに対し、77年以降は同じ構造を持つウイルスが、ほぼなくなっていた。このため、60歳代以上では新型に免疫を持つようになったと考えられる。
さらに、確定患者約3500人を対象に感染のしやすさを調査。20~39歳を1とした場合、19歳以下は2.7倍、40~59歳が0.56倍、60歳以上は0.17倍となった。
これらのことから、高齢者は感染しにくいことが裏付けられた。また、日本で1人の感染者から広がるのは1.21~1.35人で、感染力は季節性インフルエンザと同じか弱いことも判明した。
これまで正体が不明でどう対応すればいいか不安だったが、正体がわかれば対応策も練れる。また、老人がこのインフルエンザに感染する可能性が低いというのは朗報だ。
知識はあなたを自由にする、というが、こうした病気のメカニズムを解明することが直ちに人の健康や命にかかわることになる。研究は人類の進歩にとって直接的に解決策を生み出してくれるのがいい。山中伸弥先生のiPS細胞の発明も根本的に人の治療を変えるものだ。
私もそうした発明に関与したいと思っている。
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